2006年2月6日月曜日


Project Artificial Myocardium

ナノテク集積型人工心筋動物実験に成功!

厚生労働科学研究費補助金萌芽的先端医療技術推進研究事業 ナノテク集積型埋め込み式心室補助装置(H14-ナノ-020)
NEHfigJPG.jpg 東北大学では、厚生労働科学研究費補助金萌芽的先端医療技術推進研究事業のサポートを受けて、ナノテク集積型の全く新しい補助循環装置、「人工心筋」の研究開発に取り組んでおります。
ナノセンサで生体の情報をキャッチし、ナノマイクロ制御チップで生体の需要を素早く計算し、人工心筋で弱った心臓の収縮を強力にサポートします。
人工心臓のようにいつもフル稼働している必要はなく、必要な時だけ動けばよいので、耐久性に大きく優れ、更に血液に直接接触しないので、血栓形成の危険もなく、人工弁の必要もないので、経済性にも優れます。

アイデアは良かったのですが、いざ現実にシステムを組んで動物実験を開始すると、モータは壊れる、山羊は出血する、胸腔は狭い、センサが入らない、麻酔でショック、解剖学的装着困難など、非常に困難が山積みでした。
現実にはアイデアだけではなかなか実験は進みません。
幸い今年度より厚生労働省よりのサポートが受けられることになり、年末まで苦心惨憺しながら動物実験を行って参りましたが、カップ方式でもバンド方式でも、心補助効果を出すのがなかなか困難でした。
昨年末に行われた最終実験で漸く、エレクトロハイドローリック方式に方式を変更して両心室補助が可能になる実験結果が得られました。
心拍出量で16%の上昇、動脈圧で10%の上昇、肺動脈圧で28%の上昇が確認されました。動物実験の段階では、心補助効果がほぼ確認できたと考えます。
更に現在、ナノセンサ開発、マイクロナノ制御チップ開発、制御アルゴリズム開発、経皮エネルギー伝送システム開発、臨床的な左室収縮による流体解析等、各チームで要素技術を確立していただくべく研究が進んでいます。
今後、更に動物実験を重ね、手術手技も簡略化し、結果もリファインして研究成果中間報告会へ望む手はずになっております。
現在、東北大学を初め全国のナノテク研究者、人工臓器研究者の英知を傾けて開発に取り組んでいます。

厚生労働科学研究費補助金萌芽的先端医療技術推進研究事業 ナノテク集積型埋め込み式心室補助装置(H14-ナノ-020)

ナノセンサ開発
江刺正喜、芳賀洋一、高木敏行、羅雲
人工心筋アクチュエータ開発
白石泰之、岡本英治、圓山重直、梅津光生
ナノマイクロチップ制御システム開発
吉澤誠、田中明、
経皮エネルギー伝送システム
松木英敏、佐藤文博
人工心筋動物実験
仁田新一、田林晄一、西條芳文、山家智之
左室収縮動態解析・流体解析
福田寛、早瀬敏幸、川野聡恭、飯島俊彦
自律神経情報による駆動制御
久保豊、大坂元久、南家俊介
企業化へのアプローチ
山内清、佐伯昭雄、井本頓智、紺野能史、
研究代表者:山家智之
更新日時:2006/02/06 00:39:50
キーワード:
参照:[ナノテク応用型人工臓器の開発と臨床応用に関する研究] [news

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