2010年5月12日水曜日

在宅医療サポートセンター実証


経済産業省 仙台地域における医療・介護のICT資源を組み合わせ活用した「在宅療養サポートセンターサービス」実証事業

 少子高齢化社会の中、わが国では、高齢者で慢性疾患を有する患者在宅療養者については、医療と介護の両面のケアが必要となり、本人はもとより、患者家族の負担は大きい。
 他方、在宅療養を支える医療・介護の各種サービス提供体制では、医療、介護事業者間の連携の不十分さや、在宅療養支援診療所における 24時間 365日対応の負担等により普及が進まないなど、多くの課題を抱えている。加えて、地域の中核病院などでは、経営安定化に向けて、患者の在院日数の短縮化 を進めており、在宅医療の体制整備に係る課題と相まって、今後、在宅を含めた地域全体での患者の受け入れ体制の整備が求められている。
 われわれ当コンソーシアムが実証事業のフィールドとする仙台地域および宮城県、また、東北地方は、以下のような特徴を持っている。
 東北地方は、農山村部が広域にわたり、高齢化が進んだ過疎地域が多いため、充分な医療サービスを受けにくい地域が多く存在する
 医師の偏在が顕著であるとともに、地方中核病院の経営が危機に瀕しており、医療環境がますます悪化しつつある一方、仙台市は東北地方における経済・産業・商業の中心地であり、革新的な技術開発や新規的事業モデルの展開が容易であることから、実証事業に適している
 仙台市には、研究中心大学としての東北大学があり、医学・医工学・情報通信技術に関する高度な先端的研究開発が行われており、その成果の蓄積がある 東北大学はスーパー医療特区として認可されており、大学病院や加齢医学研究所を中心とした先進医療の展開が期待できる
 大都市としての仙台市には、介護サービス事業者もサービスの種類も多く、医療・介護連携のモデルを実証・模索する場として適している
 文部科学省委託事業「広域仙台地域知的クラスター創成事業(第Ⅱ期)」の 2008年度実証調査によれば、仙台地域における在宅療養者(高齢者)が求めるサービスが、すでに判明している。
①在宅療養者の生活を支える見守りは、以下の「安心の 3要素」で構成される。
 日常生活の安定(介護系サービス)
 医療的不安の解消(医療系サービス)
 心の安らぎ(メンタル系サービス)
 
②高付加価値サービスは、在宅療養者の下記特性に合わせ、かつ、「安心の 3要素」を適切に組み合わせたオーダーメイドの総合サービスが重要であると考える。
 サービスに必要性によって(退院直後・慢性期)
 病態によって(疾患名、不自由度)
 世帯によって(独居、高齢者夫妻、一般家庭)
 
そこで、本事業では、医療介護の領域から、一般家庭の生活支援へ向けたシームレスなワンストップサービスを目指す。

山家智之 佐藤美喜子 

更新日時:2010/05/12 18:18:46