2011年4月5日火曜日

東日本震災


東北関東大震災

(平成23年4月5日)
 今週から、心臓病電子医学分野、及び、人工臓器医工学講座のスタッフ、及び、学生さんには仙台に戻っていただいて、いつも通りのミーティングから 再開しました。まだ新幹線も飛行機も東北本線も復旧していないので、遠隔の学生さんはバスなどで戻ってきました。ご苦労様でした
 東北大学の学生さんのご家族でも、仙台の放射線被曝に不安を覚える方々もいらっしゃりますが、仙台では今は被曝線量は全く正常範囲で経過していますので、ご心配なされぬよう、よろしくお願い申し上げます。
 また、今週から麻酔科の志賀卓弥先生にも研究に参加していただいております。人工心臓に興味のある今時、珍しい先生なので、大成を期待しています。引っ越しと地震と物流不足で、再スタートがなかなか滞ってはおりますが、精力的に進めて参りたく存じます。  福島原発ではなかなか騒動が落ちつきませんが、仙台は今日も、被爆線量は全くの平年通りで問題ない数値で経過しています。仙台市内の皆様、また仙台を出入りする物流の業者さん等におかれましては、風評被害に踊らされませんよう、よろしくお願いいたします。
 加齢研の心臓病電子医学、機能画像、脳機能開発は、スマートエイジングの新しいビルに引っ越しました。出入りに鍵が必要になったようです。事務で行って開けていただくか、入り口から心臓病電子医学へ電話してください。内線8517です。

(平成23年4月1日)
 新年度を迎え、復興に頑張っている皆様も多いと感じております
 我々、心臓病電子医学でも、引っ越しと地震の片付けがダブルで来たので、復興途中の面もございますが、先行きが明るくなって 近いうちに研究に完全復帰できると考えています
 ただ、臨床現場の最前線では、残念ながら、地震関連で風評被害が、とてつもなく広がっています
 医療従事者が、福島の患者さんを診察して、被曝する事はあり得ません。
 医療従事者が診察しない事は応召義務に違反するものです
 また、仙台市は今日も、被爆線量は、例年と変わらず全く正常範囲である事実は、文部省HPからも宮城県HPからも確認できます。
 仙台に家がある人は、外を歩こうと、洗濯物を干そうと、被曝する可能性はゼロです。
 放射線被曝に関連する風評被害が生じないように、正確な情報を得るようお願い申し上げます。
 なお、放射線被曝情報は、以下の団体のホームページをご参照下さい。
放射線医学総合研究所 http://www.nirs.go.jp/index.shtml
日本核医学会 http://www.jsnm.org/
日本核磁気共鳴医学会 http://www.jsmrm.jp/modules/other/index.php?content_id=1
日本医学放射線医学会 http://www.radiology.jp/
日本小児科学会 http://www.jpeds.or.jp/tohoku-j.html
日本産婦人科学会 http://www.jsog.or.jp/news/shinsai_index.html

(平成23年3月30日)
福島市の被曝量を、下記のように県庁データでグラフにしましたが。 福島市のデータは、毎日、福島医科大学のデータがHPで公表されているそうです。福島市の飲用水のデータもあります。 被爆線量は、継続して減少傾向と言う事です
仙台市のデータは相変わらず正常範囲から動いていないようで(0.12マイクロシーベルト『2011.3.30』)、医学的には、完全に、安全なようです
医学系学術団体、各学会も少しづつ正しい情報を流してくださっていますが、風評被害は相変わらず激しく、物資の調達には苦労しています。 物流関係の皆様、惑わされずに正しい理解をお願いいたします

本日、やっとHPが復旧しました。
 (平成23年3月24日)
 震災で亡くなられた皆さん、そして、ご家族の皆さんに心からのお悔やみを申し上げます。地震・津波の被害にあわれた皆様へお見舞いを申し上げます。
 私ども、東北大学加齢医学研究所心臓病電子医学、及び、大学院医工学研究科人工臓器医工学講座のスタッフ、職員、大学院生に関しましては、おかげさまで、なんとか全員無事を確認しております。
 ご心配をおかけいたしました。
 3月11日は、私たちの研究室の、引っ越しの真っ最中で、研究棟からスマートエイジング棟へ移るところでした。研究機器は全て段ボール等で包装されたところだったので、機器の被害はあまりありませんでしたが、論文や本は完全に散らばってしまい、床は見えませんでした。
 諸先輩の関連病院の先生方におかれましても、皆さんご無事でしたが、ご存知の通り、宮城県では、全病院、総力を挙げて現在、復旧に挑戦しており、 なかなか現状が連絡できない病院も多く、一部診療を再開できた病院もありますが、インフラ壊滅で、復興の困難に直面している病院もあります。
 特に困難に直面しているのが、インフラ整備に関わる放射線被曝の風評被害で、物資の調達が滞っているようです。現実には、福島市においても、被爆線量はどんどん減少しており、宮城県下でも全く心配する必要のない線量です。
 今日現在の仙台市は、0.12マイクロシーベルトと全く正常範囲です。(文部科学省HP)
図1、福島市における被曝。脳機能開発分野の川島隆太教授作成:福島県HPより Fig1.jpg
 東北に物資の搬送に向かったからと言って、福島や仙台で、物流に従事する皆様が、危険な被曝線量になる事は、現状ではあり得ません。(2011年3月24日現在)病院で一回冠動脈等のCT検査を受ければ、この千倍以上の被曝量になります。
 物流関係の皆様、どうか、安心して仕事に従事くださるようお願いいたします。
 現在、宮城県では特に病院の物資の搬送が、特にガソリン不足などで滞っており、医師は出勤できず、看護師は家に帰れず、職員、泊まり込みで復旧に 奮闘しても、医療資源や薬剤はもとより、生活物資まで滞り、職員が、三食とも、おにぎり一個で奮闘している病院も多いようです。患者さんだけでなく、医療 従事者の健康の維持すら難しく、張り切っていた若手から熱発で倒れて行く病院もあります。この栄養状態では患者も医師も、ともに感染症の爆発的流行も懸念 されます。  避難所の被災した方々はもちろん、家が何とか残った患者さんたちの食生活もむろん調整困難で、血糖値も血圧もトロンボもコントロールが難しくなっていま す。なんでこんなにINRがぶれるのか患者さんに伺うと、「そう言えばおにぎりしか食べてない」と言われました。
 手術室も検査室も、電気ガス水道なしでは復旧できません。ガソリンなしでは、医療従事者も患者さんもそもそも病院へ行けません。
 外来の予約の患者さんが病院へ来ないので、電話してみると、全く繋がらない家もあり、そもそも患者さんの家が、残っているのかどうかも分からない 状態です。電話が繋がっても「新幹線も電車も止まってガソリンもないので病院へ行けません」と、言われます。糖尿病や高血圧などの慢性疾患が管理不能とな りつつあります。
 東北地方への、物流の復興を、伏して、なにとぞよろしくお願い申し上げます。

東北大学加齢医学研究所教授 山家智之
更新日時:2011/04/05 20:53:47