2014年10月11日土曜日

デブに、うんち移植?

メタボの前糖尿病状態の肥満者群(男性)の腸内フローラを、痩せ型の提供者の腸内フローラと入れ替える大胆な研究を2010年にスエーデンの研究チームが発表しています。一度全員の腸内を除菌してから、1/2は本人の腸内フローラを元に戻し、残り1/2には痩せ型の他人の腸内フローラを移植しました。ランダム化2重盲検テストです。6週間後の検査では、痩せ型を移植したグループはインスリン感受性が改善して血清脂質のレベルが低下していたそうです。
また、肥満症手術で、2型糖尿病が「治る」理由という記事で、胃を小さくして十二指腸にも食物が通らないようにバイパス手術を受けた人は、術後すぐに、体重が落ちるはるか前から糖尿病症状が消えることを書きましたが、2009年のある論文によりますと、手術後は劇的に腸内フローラの様相が変化するそうです。これも2型糖尿病が「治る」理由のひとつかも知れません。
1型糖尿病を発症しやすい系統のマウスを、遺伝子操作で腸管免疫システムに手を加えると1型にならなくなりました。ところがこのマウスを無菌状態にするとやはり1型糖尿病になってしまうのです。腸内細菌がマウスを1型糖尿病からどう守っているのかは明らかではありませんが、いろいろな腸内細菌の抗原によって免疫システムが正常に作動するようになって、自己免疫の誤作動による1型糖尿病が発症しにくくなることは想像できます。この結果は衛生仮説(hygiene hypothesis)とよく一致します。この説は、もし、ヒトが発育期に十分な微生物や細菌に接触しないと免疫システムが正常に発達せず、1型糖尿病やアレルギー体質のような自己免疫疾患のリスクが高くなるというものです。

http://allabout.co.jp/gm/gc/383728/

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